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【コラム】〈シリーズ〉「一つの道」を進み続けた偉人に、「極める」の価値を学ぶ  vol.1 アインシュタイン

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ビジネスにおいて何か一つを極めることで、その仕事の本質を理解し、完成度の高い仕事をすることができる。また、「一芸に秀でる者は多芸に通ず」ということわざもあります。営業、開発、管理、どの職種でも、突き詰めることで、広い視野を持つことでき、ほかの分野においても活躍することができるでしょう。

歴史上には、一芸に秀でた天才と呼ばれるような偉人が存在していました。生まれ持っての天才だったのか、努力して身に着けた一芸だったのか。そんな偉人たちはどのような人生を歩み、一芸に秀でる者になったのか、このシリーズでは、そんな偉人たちのストーリーを紹介していきます。


世界的に有名な物理学者のアルベルト・アインシュタイン。

彼が発表した相対性理論は、今までの「時間」という概念の常識を覆す驚くべき発見でした。他の学者がとらわれていた常識を打ち壊し、新しい常識を生みだした彼は天才と呼ばれました。しかし彼は最初から天才など存在せず、努力することで天才が生まれるのだと、「天才とは努力する凡才のことである」と言いました。そして努力と研究を怠らず、多くの論文を書き残しました。

物理という一芸に秀でた彼のストーリーをこのコラムでは紹介します。

一つの方位磁石が人生を変えるきっかけだった

アインシュタインは1879年3月14日、ドイツ南西部のウルム市で生まれました。

両親はヘルマンとパウリーネで、ユダヤ系の中流家庭に育ちました。幼少期の彼は言葉の発達が遅く、両親や医師から知的障害を疑われたこともあったそうです。

しかし、5歳頃、父から贈られた方位磁石に強い興味を示し、「目に見えない力」の存在に魅了されたエピソードは有名です。また、母のパウリーネがピアニストだったため、幼い頃から音楽の教育を受け、ヴァイオリンを学び始めました。

彼は学校の授業には興味を示さず、独学で数学や科学の本を読み漁っていたと言われています。

ミュンヘンのルートヴィヒ・ギムナジウムに進学しますが、軍国主義的な学校の雰囲気になじめず、数学と物理学以外の成績も芳しくありませんでした。

その後、スイスの名門、チューリッヒ工科大学を受験したものの、総合点に届かず不合格となってしまいました。しかし、数学と物理の点数がトップクラスだったため、アーラウのギムナジウムに通うことを条件に、見事合格することができました。

幼少期からアインシュタインは、型にはまらない自由な発想と探究心を持つ子供だったようです。周囲と馴染めない孤独な少年時代を送りましたが、のちの科学者人生への第一歩となりました。

今までの常識を覆した相対性理論

1905年、アインシュタインは自分の名を世界に知らしめることになる、特殊相対性理論を発表します。この理論は、光の速度が一定であり、時間と空間が絶対的なものではなく、観測者の運動状態に依存して変化するという革新的な概念を提唱しました。

特殊相対性理論の基礎となったのは、光の速度が一定であるということです。当時の物理学では、光は「エーテル」と呼ばれる媒質を通って伝播すると考えられていましたが、彼はこの考えを否定しました。

この理論から導かれた有名な公式が、E=mc^2です。この式は、ほんのわずかな物質でも膨大なエネルギーが秘められていることを示し、原子力エネルギーの基礎となりました。

1916年、彼は特殊相対性理論を拡張し、一般相対性理論を発表します。この理論は、重力は空間と時間を歪めるという理論を提唱しました。一般相対性理論は、ブラックホールや重力波の存在を予測し、現代物理学の基礎となっています。

相対性理論は、20世紀の物理学に大きな影響を与え、現代物理学の二本柱と呼ばれています。彼の業績は、科学の歴史に大きな足跡を残し、今なお多くの研究者に影響を与え続けています。

ノーベル物理学賞を受賞するという不滅の足跡を残す

1921年、アインシュタインはノーベル物理学賞を受賞します。しかし、この受賞は相対性理論に対してではなく、光電効果の法則の発見に対してのものでした。光電効果とは、光が物質に当たると電子が飛び出す現象のことです。

彼は、1905年に光電効果の法則を発表していました。この法則は、光が粒子(光子)としての性質を持つことを示すもので、量子力学の基礎となる重要な発見でした。しかし、当時の物理学界では、光は波としての性質を持つと考えられており、彼の説は受け入れられませんでした。

ノーベル賞委員会は、相対性理論がまだ十分に実証されていないことを理由に、彼への授賞を見送っていました。しかし、1919年のエディントン・エクスペディションによる日食観測で、一般相対性理論の予測が実証されたことで、アインシュタインの業績が広く認められるようになりました。

彼のノーベル賞受賞は、彼の業績が世界的に認められた証でした。相対性理論は、のちに数多くの実験で検証され、現代物理学の基礎となっています。また、光電効果の法則は、量子力学の発展に大きく貢献しました。彼の業績は、物理学の歴史に不滅の足跡を残したのです。

アインシュタインの人生が示す、困難を乗り越える方法

アインシュタインの人生は、困難の連続でした。ユダヤ人であったために差別に苦しみ、ナチスドイツから亡命を余儀なくされるなど、数々の試練に直面しました。しかし、彼は決して諦めることなく、困難を乗り越え続けました。彼の人生からは、困難を乗り越えるための重要な方法が学べます。

まず、彼は目標に向かって粘り強く努力し続けました。相対性理論の完成までには、長年の歳月を要しましたが、彼は決して諦めませんでした。困難な状況下でも、目標を見失わず、コツコツと努力を重ねる姿勢は、困難を乗り越える上で欠かせません。

また、彼は困難な状況をポジティブに捉える姿勢を持っていました。ナチスドイツから亡命した際も、新天地アメリカでの研究に希望を見出していました。困難をネガティブにとらえるのではなく、新しい可能性を見出す前向きな姿勢は、困難を乗り越える原動力となります。

加えて、彼は困難を乗り越えるための知恵を身につけていました。第一次世界大戦中は、平和主義を貫き、戦争に反対し続けました。自分の信念を持ち、正しいと思う道を進む知恵は、困難を乗り越える上で重要な指針となります。

彼の人生が示す、困難を乗り越える方法は明確です。目標に向かって粘り強く努力し、ポジティブな姿勢を持ち、周囲の支えを大切にし、正しい道を進む知恵を身につける。これらを実践することが、困難を乗り越えるための鍵となるでしょう。困難に直面した時こそ、彼の生き方に学び、前に進んでいきましょう。

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